留学を終えて-川上美香

 私が留学を選んだ理由は日本であまり良い報道をされない中国がどういう国なのか実際に行って知りたいという事と外国で暮らしてみたいという事からだった。この留学を通して知ったことは大きく分けて2つある。

 1つ目は中国への印象が変わったことだ。私にとって日本で報道される中国の印象はあまり良くなかった。中国は反日感情を持った人が多くいると思っていたが、実際に行ってみると大きく違っていた。私は休日によく大学の外へ観光に行っていた。その時に日本人だと分かると日本語で挨拶をしてくれたり、バスの席を譲ってもらったこともあった。

 大学内でも昼食の時に水餃子をおまけしてもらったり、道案内をしてもらったりした。
私の出会った中国の人達は明るくてフレンドリーな印象を受けた。私の知った中国は一部分にしかすぎないかもしれないが、留学の目的である実際の中国を知ることができたと思う。

 2つ目は自分自信の事についてだ。私は留学に対して不安しかなかった。今まで実家暮らしで親元を離れて暮らしたことがなく1人で暮らしていく自信がなかった。更に全て中国語で展開される授業に自分の語学力でついて行けるのかも不安だった。

 留学生活がはじまってみると自分が感じていた不安は的中した、一回目の授業では先生の話す早さについていけずに出題された質問に全く答えられなかった。

 授業についていけず、部屋ではルームメイトも外国人だったために日本語が通じないということにストレスが溜まった。留学ではこのような事が起こることは想像していたが実際に経験するととても辛いものだった。私は授業についていこうと焦り、予習と復習に加えて教科書に付属されてきたCDを何度も聞いて発音するということを毎日した。結果的には一週間程で先生の言いたい事を少し理解できるようになり、一ヶ月で質問をほとんど答えられるようになり、それと同時に授業を楽しめるようになっていった。

 部屋では、苦手な英語で話さなければならなかったがルームメイトがとても良い人で私が英語を不得意だと分かると簡単な英語を使って話しかけてくれるようになった。

 私も彼女と意思疎通が早く出来るようになるために中国語の勉強と並行して英語の勉強も少しした。内気で怠け癖のある自分は留学生活の途中で心が折れてしまうと思っていたが、そのようなことがなく逆に環境に慣れる努力をすることができた。

 私はこの中国留学を通して自分の意外な一面を知り、自信を持つことができた。

 中国で暮らした4ヶ月間は日本でそのまま暮らしていたら知ることがなかった様々な事を学べた充実した日々だった。留学生活は今までの人生の中で濃いものだった。留学で学んだこと、知ったことはこれからの人生で役に立つものだと思う。私は留学に参加した事を本当に良かったと思う。